レッドビーシュリンプ抱卵させる方法と人工ふ化に挑戦!
レッドビーシュリンプはオスとメスが交尾をすると抱卵しますが、メスの脱皮前後にオスが水槽内をぐるぐる泳ぐことを「抱卵の舞」と言われています。
しかし実際は抱卵出来ないサイズの成熟していないメスエビが脱皮しても「抱卵の舞」は起きています。
なので「抱卵の舞」があったから、メスエビが抱卵しているとは限りませんので、その点は勘違いしないように気を付けておきましょう。
要は成熟していないメスエビでも「フェロモン」が微量に出ているので、「抱卵の舞」は起きるということですね。
レッドビーシュリンプ連続抱卵記録
ちなみに私の水槽で実際に起きたレッドビーシュリンプの連続抱卵記録を紹介しておきます。
- 最高 4か月連続抱卵 ここまでくると名牝(字が違うけど)と呼んでいます。その2か月後また抱卵しました。
- 次点 3か月連続抱卵 その2か月後に亡くなりました。まだ若かったのでやはり抱卵するのは負荷が大きいと言う事が分かりました。
後は2回連続抱卵が多かったのですが、他のメスエビが抱卵するとその他のメスも抱卵しやすい傾向が見受けられました。
最近の水槽は常時抱卵しているので、常に稚エビがいる状態なのですが現在レッドビーシュリンプ水槽は5本あるので、大きくなると民族大移動しています。
移動の際には水合わせもほとんどしていないので、同じ環境の水槽であれば水合わせに神経をとがらせることは無いと言えます。
確かに連続抱卵は嬉しいのですが、メスエビに負担が大きいことには違いないので、出来れば1か月おきの抱卵が理想なのかもしれません。
抱卵させる方法
レッドビーシュリンプを抱卵させるのは、基本水替えですが多くの水替えをするとバクテリアの減少でレッドビーシュリンプが死んでしまうので、1/5も水替えすれば十分だと思います。
水温自体は22度から27度まで抱卵した経験があるので、真ん中の24~25度を維持すれば良いのではないでしょうか。
これらの条件がそろってレッドビーシュリンプの活性が高いのに抱卵しない場合に出来ることを紹介しておきます。
- ピートモスを入れる(水質調整で入れすぎは逆効果)
- ソイルを多く入れる(フミン酸・フルボ酸を補給)
の2点です。
ピートモスはお茶パックなどに3キレぐらい入れて「サテライト」などに投げ込んで置くと効果的です。
ただ毎週交換していくと効果が下がった気がするので、レッドビーシュリンプが数匹抱卵したら一回ピートモスを入れるのをやめておくといいでしょう。
ソイルは「JUN マスターソイル ネクスト HG」を利用しているのですが、底面フィルターの上に載っているソイルを前面に寄せて奥に新しいソイルを追加します。
入れたソイルの量は水槽1/4の面積ぐらいに1cmの厚さぐらいですかね。
水槽を立ち上げて半年ぐらい経過したときに、リセットするのが面倒だったのでこの方法でリセット回避できないかな?と思って実践したら抱卵個体が多数出現しました。
どちらも実際に実践した内容なので、効果を感じられるのではないでしょうか。
市販の抱卵促進剤とは
ネットでよく見かけるレッドビーシュリンプ抱卵促進剤とはおそらくフミン酸・フルボ酸かピートモスを溶かした溶剤が売られているのではないでしょうか。
私自身があまりレッドビーシュリンプ用の添加剤を使ってよかったことがないので、最近は上記で書いた2パターンで抱卵させています。
「JUN マスターソイル ネクスト HG」のソイルを入れたら普通に抱卵するので、新規で水槽を立ち上げたら成熟したレッドビーシュリンプは2週間以内に何匹かは抱卵しています。
もちろんこれは成熟個体がいないと実現しないので、2.5cm前後までレッドビーシュリンプが成長しても抱卵しない場合に実践してみてください。
レッドビーシュリンプは生涯何回抱卵するのか
これはそれぞれの飼育環境や、成熟して間もない個体から抱卵した場合や2.5cmくらいになって初抱卵する個体など様々なパターンがあります。
1回に抱える卵の数も5~30個くらいが多く、5個ぐらいしか抱卵しない個体は脱卵をしている可能性が高くなります。
私の飼育下でレッドビーシュリンプが生涯何回抱卵するのかを計測した結果
というデータが出ています。
もちろんこれ以上抱卵する個体もいるでしょうから、あくまで目安として参考にしてください。
年老いたレッドビーシュリンプを見ていると、殻が目に見えて老朽化しています。
後は個体の色がオレンジかかった場合は死期が近い傾向が見受けられます。
上記の状態で抱卵した個体を2~3匹見かけましたが、いずれも稚エビを産むか産まないかのギリギリの時期で亡くなっています。
母は強しと言っても、上記の状態のレッドビーシュリンプを見かけたら、サテライトに移動して脱卵を防止するほうが良いのかもしれません。
脱卵を防ぐ方法と守る方法
レッドビーシュリンプは抱卵すると、かなりの負担がかかるため正常な個体より死にやすいとも言えます。
また生まれてから最初に抱卵した個体も脱卵しやすい傾向が見受けられます。
ちなみにレッドビーシュリンプの抱卵個体が何匹も脱卵するようであれば、その水槽の水質が悪いサインです。
稚エビや抱卵した親エビは水替えに弱いので、抱卵後1週間ぐらいしてからでないと水替えは厳しいかもしれません。
正直レッドビーシュリンプが脱卵するかどうかは、抱卵後しばらくして親エビの様子を見ないと分かりませんから事前に脱卵を防ぐ方法はありません。
それは抱卵した親エビをサテライトに移動することです。
ただしサテライトに移動すると、ストレスによる脱卵もありますから諸刃の剣と言えます。
親エビは脱卵した卵を食べてしまう可能性があるので、サテライト下段に付属の隔離板を付ける必要があります。
サテライトに設置すると下記のようになります。
正直これでは卵が落ちる穴が少ないので、沢山卵を回収したい場合はダイソーで売られている鉢底ネットを購入してハサミやカッターで切って設置するといいでしょう。
このように隔離板を設置すると一つだけ問題が発生します。
という点です。市販のエサを与えると当然、隔離板の下段に落ちてしまいます。
なので親エビのエサはインフゾリアを購入するか、微生物の素などを振りかけるしかありません。
一番良いのはサテライトにコケが発生していると、レッドビーシュリンプはそのコケを食べるのでそれでしのげるのですが、そこまで準備出来ている人でないと難しいでしょう。
別水槽でライトを24時間つけっぱなしにして、そこに石やプラスティックなどをいれておくとコケが付着します。
ちなみに私自身、レッドビーシュリンプをサテライトに移動して微生物の素を毎日与えたら、親エビが亡くなってしまった経験があります。
なので「エサやり」は3日に一度くらいが目安となるでしょう。
レッドビーシュリンプ人工ふ化
レッドビーシュリンプが抱卵して星になってしまったことは過去に何度かあるのですが、これまでに人工ふ化に2回ほどチャレンジしましたがいずれも上手く行きませんでした。
その時の人工ふ化器の作成は下記動画などを参考にしています。
結果的に上手く行かなかったのですが、上記の動画にもあるようにガーゼ部分が汚れで真っ黒になってしまい、そのせいなのか卵は1つもふ化に至りませんでした。
ということで3度目のチャレンジを実践してみました。
今回は普通にサテライトでレッドビーシュリンプの人工ふ化に挑戦。
上記のように現在空いているサテライトに、エアレーション1個を入れて卵を入れてみることにしました。
見ての通りサテライトにごみが貯まるので、サテライトへの水の吹き出し口にウールマットを差し込み、ゴミの進入がないように工夫しました。
ここで気を付けて欲しいのは、ウールマットの量が多いと水が排出されなくなるので、マットの詰め込みすぎには要注意です。
またサテライトから水を排出するところには、卵やふ化した稚エビが流されないようにスドー サテライト グレードアップセット2を差し込みました。
これでレッドビーシュリンプの卵を入れる構成が完了したので、亡くなってしまった雌エビから卵を引き離します。
しかし親エビをばらす画像は残酷なので、親から卵を離した後の写真をどうぞ。
親から卵を引き離すには、つまようじや針金などで可能です。
卵同士がくっついているとカビるらしいので、一つ一つ丁寧にはがすことも重要です。
ちなみに取れた卵は21個でした。過去は15個と6個までしか卵を得られませんでしたので、過去最高の卵数となります。
サテライトで人口ふ化
上記画像で紹介したようにエアレーションを一つだけ設置してみたら、卵がサテライトの端に固まってしまい、卵が動かない状態になりました。
これでは酸素やキレイな水を送れないということで、下記のように対角線でエアーレーションを2つ付けてみました。
これが功を奏して卵がちょうどエアレーションの間で「ダンシング」するという状態を生んでくれたので、これを維持してみました。
このように卵が動くことで、新鮮な空気と水を供給できるかが人工ふ化のカギと言えます。
上記画像を見てもらうとわかるように、卵が水上迄舞い上がり、対角線に設置したエアレーションの水流により、サテライトの真ん中に卵が戻るという奇跡的な水流が出来たのです。
後はたまにゴミが貯まるので、スポイトでゴミを吸うと言う作業を繰り返しました。
その20日後
何と3匹だけ人口ふ化に成功しました!(画質が荒いのでわかりにくいですが)
とりあえずこの時点でエアレーションは外して、4日後にサテライトをかけている水槽にスポイトでレッドビーシュリンプの稚エビを戻しました。
もちろんスポイトで稚エビを吸う際には、細心の注意が必要です。
水槽に戻したのは水槽についている「コケ」を食べてもらうと思ったからです。
その3日後に戻した水槽でも生存確認できたので、今後無事に育ってくれると思います。
ちなみにこの後普通に脱卵した卵を5個回収して、普通にサテライトでふ化にチャレンジしましたが1個だけふ化に成功しました。
その時はエアレーションを1つだけ設置しただけです。
どちらにしろ成功率は低いので、その他の成功例などを参考に工夫してみてください。
サテライト人工ふ化の注意点
とりあえずこれまでのおさらいを書いておきます。
- 人工ふ化にはスドーサテライト1.2L用を使用
- 給水口にはゴミが入らないようにウールマットを詰める
- 排出口には卵やふ化した稚エビが流されないよう、スドー サテライト グレードアップセット2を差し込む
- ゴミが貯まったらスポイトで取り除く
- エアレーションは卵が動くぐらいの強さが理想。
- ふ化したらエアレーションは弱めるか撤去する
- ふ化した稚エビにエサはあげない
- 4日ぐらいして稚エビが脱皮を1~2回したら本水槽に戻す。
となります。
上記で足りない部分は経験の差だと思うので、もしレッドビーシュリンプの人工ふ化に挑戦する機会がありましたら、参考にしてみてください。
ちなみにその他のブログを読んでみたら、底面フィルターの排水口に熱帯魚のネットを置いて、その中に卵をいれて人口ふ化に成功している人もいました。
なのでやり方はそのほかにもいろいろあると思います。
抱卵した親が死ぬ理由
私自身何匹か抱卵した親個体が亡くなってしまった経験があるので、その時の分かる範囲の理由を書いておきます。
- 抱卵による疲労
- エサのやりすぎ
- 原因不明
- 水質が合わなかった
- 母体が老齢だったため
レッドビーシュリンプに限らず熱帯魚全般に言えることは、抱卵することは母体にかなり負担がかかります。
例えばレッドビーシュリンプであれば、脱皮をしたメスはオスに追いかけられまわすので、抱卵確認後サテライトに隔離して安息の場を与えます。
しかし最初にも書きましたように、ここで飼育初心者だった私は、サテライトに1匹だけしかいないメスのために毎日「エサやり」をしていました。
その時あげていたのは「微生物の素」という商品だったのですが、毎日与えてしまったためその親エビだけ亡くなってしまいました。
私みたいな経験をしないよう、サテライトはあらかじめレッドビーシュリンプ導入時から一緒に設置をしておきましょう。
すると上記のようにコケが生えてきますので、親エビを隔離するときなどに餌場となるのでかなり有効的です。
原因不明の場合は対処しようがないので、抱卵したらすぐにサテライトに移動して上記のやり方で脱卵した卵を守る工夫をしておけば安心です。
ちなみにテトラ テスト6in1試験紙で水質を測っても異常値が無いのに、脱卵する個体を何匹か見かけたことがあります。
その水槽はソイルを少なくしていたため、こういった低PHの水質にいつの間にか変わっていたのです。
普通に抱卵していたので、あまり気にしていなかったのですが連続して脱卵していたので、あわてて対処しました。
対処方法は
- ソイルを増やす
- 牡蠣殻を入れる
- PH上昇剤を入れる
の3パターンあるのですが、添加物を入れて良かったことがないので「牡蠣殻」を導入してみました。
PHが6.2の別水槽で牡蠣殻を入れて見ると、大量に抱卵したのでなかなか抱卵しないと悩んでいる人は試してみるといいでしょう。
牡蠣殻はゆっくり溶けるので、PHショックみたいな急激にPHが上がる現象も起きなかったので安心して利用出来ます。
水質があわなかった
他所からレッドビーシュリンプを購入して水槽に導入した場合、水質の変化があるため成熟した個体であればかなりの確率で抱卵します。
しかも水槽を立ち上げて間もない水槽はかなり抱卵してくれます。
ただし新しい水槽はまだ有益なバクテリアが育成されていないので、水が合わないということで母体の脱卵が多い傾向が見受けられます。
なので抱卵自体は水槽を立ち上げて3か月以上経過しているほうが、脱卵も少なく稚エビの生存率が上がります。
もちろん水合わせや温度合わせが上手くいかなくて母体が死ぬこともあるので、抱卵個体の水合わせや温度合わせは慎重に行いましょう。
老齢化
実際に私自身、1年以上前に大きなメス個体を購入していて、まだ抱卵するのか!と思ったほど長生きしていたにも関わらず抱卵したレッドビーシュリンプがいました。
通常に飼育していると寿命を知るには難しいのですが、皮膚(殻)が明らかに古さを感じる個体が出てきますので、そういった個体は寿命が近い傾向が見受けられました。
後は体全体が「オレンジ」ぽい色をした個体も長生きしなかったので、色がオレンジになると先は短いと思っておきましょう。
こういった個体を見つけた場合は早めにサテライトに移動して、脱卵した卵を守るようにしましょう。
レッドビーシュリンプがふ化する日数の計算式
最後にレッドビーシュリンプがふ化する日数の計算式を紹介しておきます。
孵化までの日数=600÷水温
なのでサテライトに移動した場合本水槽と同じ水温になりにくいので、サテライトの温度も測っておくといいでしょう。
という意見もあると思いますが、レッドビーシュリンプは高温に弱いので出来れば22度~27度くらいの範疇に抑えるといいでしょう。
早く稚エビが見たいからと言って、不必要に温度を上げるのは危険ですから、なるべく25度前後に設定しておくことが理想と言えます。
レッドビーシュリンプは水温にもよりますが25日前後で脱皮をすることが多いのですが、メスが抱卵するとこの期間は少し長くなります。
大体1か月に1回くらい脱皮すると思っておけばいいのではないでしょうか。
まとめ
以上がレッドビーシュリンプ人工ふ化に挑戦!と抱卵させる方法でした。
おさらいをすると
- 連続抱卵は確かにうれしいのですが、シュリンプの負担を考えると2か月連続ぐらいが理想的。
- 成熟した個体がいても抱卵しない場合は、ピートモスを投入するかソイルを多く入れるのが効果的。
結論を言えばサテライトでもレッドビーシュリンプの人工ふ化は難しかったと言えますが、全滅しなかったので一応は成功と言えます。
ただしふ化した数が少なかったので、エアレーション自体を強めの設定を、もう少し弱くすると良かったのかもしれません。
このあたりのバランスの難しさは、やはり何度か人工ふ化にチャレンジしないと難しいのかもしれませんね。
後はレッドビーシュリンプが抱卵したら脱卵してもよいように、サテライトに隔離して下段に卵が落ちる仕組みを作るといいのではないでしょうか。
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