レッドビーシュリンプのポツポツ死が減る飼育方法のポイント
比較的飼育難易度が高いレッドビーシュリンプですが、これまでの飼育経験をもとにいくつか抑えておきたいポイントを紹介しておきます。
意外と知られていないと思いますが、ソイルとレッドビーシュリンプの相性はよいのですが、そこにエサが加わると相性が一気に悪くなります。
ポツポツ死について
レッドビーシュリンプは普通に飼育していても、何匹かは普通に死んでしまいます。
原因はレッドビーシュリンプが虚弱な生き物であることです。
実際に私の体験で目に見えてわかりやすい「ポツポツ死」の経験があったので、おそらくほとんどの飼育者に当てはまると思うので参考にしてください。
その時は底面フィルターにソイルとスポンジフィルターという、レッドビーシュリンプにとって鉄板の飼育方法で飼育して順調に育っていました。
あるときエサをあげた際に、エサが沈まないでエアレーションの流れに沿ってどこか隙間に落ちていくのを見ていました。
その時あげていたエサはエビオドリさんが発売している「緑藻粒」という商品(中身はクロレラ)だったのですが、これは崩れてソイルの中に入っても微生物やバクテリアが分解する。
という内容を紹介されていたので、変な場所にエサが落ちても気にしていませんでした。
日に日に亡くなっていくレッドビーシュリンプを見て「そういえばあの時浮遊して消えたエサは」と思い探してみました。
その時は水槽を立ち上げて2か月くらいだったのですが、溶岩石などを置いてレイアウト重視の飼育方法でチャレンジしていたのです。
実際「ポツポツ死」でなくなったレッドビーシュリンプも、エサが落ちていた付近での発見がほとんどだったのです。
その後エサを取り出して、水換えと掃除を行ったら1週間後には全く「ポツポツ死」で死ぬ個体は無くなったのです。
ということで結論を書くと
- どんなエサでもシュリンプが食べることで細かく砕かれ、水槽内を浮遊してエサが所々溜まっていく
- 物を置くと水の流れがそこに集中し、その隙間に浮遊したエサが溜まりやすい
- 水槽を立ち上げて期間が短い水槽は、「残ったエサ」を分解するバクテリアや微生物が少ない
- 結果的に残りエサや糞などが悪くかみ合って、「雑菌」が繁殖するのでポツポツ死が発生する
ということです。
なので下記動画で紹介しているように「エサの量と回数」は考えてあげるようするといいでしょう。
これが私自身の実体験からくる「ポツポツ死の根拠」です。
レッドビーシュリンプのポツポツ死対策
基本的にはレッドビーシュリンプのポツポツ死対策は、この一点だけ抑えておくことです。
これが基本となります。
もちろん餌だけでなく、水槽の大きさやフィルターなど各ブロガーの記事で飼育のコツやポイントが色々と紹介されていると思いますが、このエサを与えない事を前提にレッドビーシュリンプは飼育していくと良いでしょう。
となると「アマゾニア」ソイル以外の吸着ソイルで、レッドビーシュリンプ水槽を立ち上げる期間の目安が見えてくると思います。
これによってレッドビーシュリンプがコケやコケにつく微生物を食べて勝手に成長してくれるので、エサのことをあまり考えなくて済むからです。
餌の回数
それではどのくらいの頻度で餌を上げるのが理想かということですが
となります。
これは水槽を立ち上げたばかりでも、水槽を立ち上げて3か月~半年過ぎても、このエサやりの回数を増やすことはあまり望ましくありません。
せっかく高いお金を出してレッドビーシュリンプを購入したのに、こういった飼育の楽しみである「エサやり」を抑えてくださいというのは酷と言えます。
しかしレッドビーシュリンプは餌をあげすぎると、水槽内全体に有機物が増えすぎて「ポツポツ病」(ポツポツと定期的に死んでいくこと)になりやすくなります。
これを防ぐには
- 餌を与えすぎない
- 定期的な水替え(適正量)
- ろ材掃除(ソイルやフィルターなど)
これが基本となります。なので冒頭でも紹介したように「餌を与えすぎない」事が、レッドビーシュリンプの飼育に失敗しない全ての前提になるのです。
しかしここにも落とし穴があって、レッドビーシュリンプはバクテリアとの共存も重要です。
バクテリアを減らしすぎない事
レッドビーシュリンプ水槽を立ち上げて3か月ぐらい経過しないと、レッドビーシュリンプにとって好ましいバクテリア環境は整いません。
となると上記であげた「水替え」や「ろ材掃除」というのは、バクテリアにとってダメージを与えてしまうので、必ずバクテリアが減少してしまう原因となります。
エサを与えなければ、水はそこまで汚れませんからろ材掃除もそこまで必要ありません。
ただし水槽を立ち上げて3か月くらい経過すれば、バクテリアなどの生物ろ過がある程度整うので、それなりに水換えやろ材掃除を行ってもよいでしょう。
それまでの間は
- 水替えは2~3週間に1回(足し水だけでも可能)
- ろ材掃除は水替えしてもレッドビーシュリンプの活性が上がらない時に行う
のが基本となります。
脱皮前後や食事中はじっとしているのが、レッドビーシュリンプの特徴です。
水槽内に5匹以上じっとしているレッドビーシュリンプがいれば、だいたい活性が悪いと判断出来ます。
活性が悪い場合に、水替えやろ材掃除を行うことは重要となってきます。
しかし上記は一度に行うのではなく、なるべく期間を離して実践しましょう。最低でも3日~1週間後に行うのが理想です。
例
- 水替えを水槽の1/5実施
- 1週間後に水槽の1/5実施
- また1週間後にスポンジフィルターの掃除
と言った具合です。
これらを一日で一気に行うと、バクテリアの大幅な減少により、私の経験上レッドビーシュリンプはかなりの確率で死んでしまいます。
レッドビーシュリンプの飼育の難しさはここにあるとも言えます。
餌の量
問題は餌の量です。1回にあげる量はどれくらいが理想でしょうか?
ここでも冒頭にあげたように「エサは与えすぎないほうがいい」ので、少量あげればいいでしょう。
エサの例は上記の画像を見てもらうと色がわかりにくいですが、大きさがわかりますかね。
- 左の緑色のエサは「エビオドリ」さんの緑藻粒半分
- 右側のエサは「錦エビ」さんの PROSERIES FOOD Animal 動物性 半分
です。今のところ私の水槽では1回にあげるエサの量は上記の半分サイズに抑えています。
飼育数の目安でエサの量を書いておくと
- 10匹未満 上記がエサのさらに半分なので1/4
- 20~60匹 上記1/2
- 60匹以上 ここでようやく1粒あげるか、やっぱり半分におさえるかというところ。
となります。これはエサの量が少ないのは全然問題ないので、あくまで目安として参考にしてください。
それでもレッドビーシュリンプは餓死しないので、安心してください(笑)
何故ならレッドビーシュリンプは水槽内にあるコケや微生物を食べているので、エサはそんなにあげなくても生きていけるからです。
逆にエサを少なくするとレッドビーシュリンプの「色上げ効果」があると言われていますが、実体験ではそこまで感じません(笑)
なので少々高いエサを購入しても、上記の量を守れば半年以上エサは持つので、コスパ的にレッドビーシュリンプのエサ代はかなり安く済みます。
バクテリアバランス
先ほどにも書きましたがレッドビーシュリンプは、バクテリアとのバランスがとても重要です。
バクテリアバランスと言うのは嫌気性や好気性バクテリアのことを指しますが、目に見えないことを言ってもわかりにくいので、
- ろ材の多さ
- 生体の数
- 水槽の水の量
- エサや糞の量
が重要ということを知っておくことです。
ろ材はバクテリアが住むところですから、スポンジフィルターのスポンジなども該当します。
底面フィルターが無ければ最低でも、2~3cmはソイルや爆殖シュリンプストーンなどを敷くといいでしょう。
そして水槽を立ち上げてすぐに、レッドビーシュリンプを導入しても問題ありません。
ただし水槽サイズ(水量が5L以下)だと、厳しいという結果が出ました。
レッドビーシュリンプの糞やエサの食べ残しで水質は汚染されていきます。
エサを控えるように書いてきているのはこのバクテリアバランスを崩さないことを前提に書ています。
バランスが整うには3か月くらいかかるので、この間はエサを控えたほうが良いと言う事です。
もちろん調子のよいレッドビーシュリンプ水槽の水を3Lくらいもらってから立ち上げています。
そろそろ調子が落ちる2か月目に突入しても、ポツポツ病もなく順調に成長してくれました。
ツマツマしているので水替えもせず、茶ゴケが発生している状態です。
よく水槽は緑ゴケが発生したら立ちあがりのサインと言われていますが、微妙な正論ですかね。
茶ゴケでもレッドビーシュリンプは調子がいい水槽も多いので、栄養豊富な茶ゴケを食べさせた方が成長は早くなります。
なので茶ゴケが生えたらレッドビーシュリンプを導入するといいでしょう。
換水量を増やす(週一回ペースぐらい)と、緑ゴケに移行しやすいという結果も出ています。
ただし水槽の全面に茶ゴケが生えたら鑑賞や観察に適していないので、側面や背景だけコケを残しておくといいでしょう。
レッドビーシュリンプ水槽は立ち上げて1か月~2か月目に調子が悪くなるので、そこを過ぎてから抱卵する方がありがたいですかね。
水槽をたちあげて2~3週間くらいで抱卵する個体もいるのですが、その後脱卵することも多いので抱卵するタイミングも重要と言えます。
この魔の1か月~2か月目でバクテリアバランスが整えば、レッドビーシュリンプは爆殖していくので、その間は軽めの水替えやろ材掃除を行うといいでしょう。
水流について
水流に関して言えば、多少強くても全く問題ありません。
私の水槽では水中に浮かべている水草がクルクル回転しているほどエアレーションは強いですが、レッドビーシュリンプは元気です。
60cm水槽でスポンジフィルター2基と、投げ込み式フィルター2基を導入してエアレーションは強烈にしていますが全く問題ありません。
下記は50cm水槽ですが、調子よくレッドビーシュリンプは動いています。
逆にエアレーションや弱い水槽のほうがレッドビーシュリンプの活性が悪いので、出来るだけ強めのエアレーションをするといいでしょう。
レイアウトの見栄えのための流木や石などを設置すると水の流れが悪くなるので、上記水槽のように物を置かないことが大切です。
水草などは置いてもいいので、ウィローモスや浮草であるマツモなどを入れるとレッドビーシュリンプは喜びます。
こちらの水草の成長が悪いと水槽内も調子が悪いというサインなので、マツモなどの成長ぶりをよく観察するといいでしょう。
添加物について
添加物は市販で色々と販売されていますが基本は
というところです。あえて挙げるのであれば
- PSB
- カルシウムと鉄分
ぐらいでしょうか。
私自身レッドビーシュリンプの初期飼育時には、様々な添加物を入れて失敗してきました。
添加物をいれるくらいなら、水草やマジックリーフを入れておくといいでしょう。
エサをあげない事が前提の飼育ですが、マジックリーフであれば全然問題ありません。
バクテリアに関して言えば、ADAのバクター100なら確かに調子は良くなります。
水槽設置前(付属のスプーン3杯)や水替え時(スプーン半分)に適量を振りかけると調子が上がってくるでしょう。
ただし水ゲジやヒドラなどが発生することもあるので、使う際には要らない生物の発生も覚悟しておくといいでしょう。
納豆菌やシュリンプ専用のバクテリア剤なども過去に入れてみましたが、効果を感じるまでには至りませんでした。
水替え
後は水替えの方法などが結構重要なファクターとなりますので、出来ればサテライトなどを購入して下記記事を参考に上手に水替えを行ってみてください。
RO水がいいとかネットで出回っていますが、全く水道水で爆殖しますから問題ありません。
ちなみに過去にコカ・コーラが販売している天然水の「い・ろ・は・す」やアサヒの天然水などで水替えを実施していました。
使用した感想を書いておくと
- 「い・ろ・は・す」 PHが高い影響かレッドビーシュリンプの活性が上がります。
- アサヒ おいしい水 天然水 六甲 無反応だったのでカルキ抜きを切らしている場合はこちらで水替えをするといいでしょう。
どちらの天然水を利用してもレッドビーシュリンプが死ぬことは無かったのですが、「い・ろ・は・す」はもしかしたらPHの変化を嫌がって活性が上がっている可能性があるので、出来ればアサヒ おいしい水 天然水 六甲を利用するといいでしょう。
ちなみに私自身稚エビがいるのを気づかずに大量の水替えを実施して、沢山の稚エビを星にしてきた経験があります。
この水替えを実施するにはやはりサテライトなどの導入を検討すべきだと私は思います。
まとめ
以上がレッドビーシュリンプのポツポツ死が減る飼育方法のポイントでした。
単純にエサをあげない(与えすぎない)ことだけ守ればいいので、後は飼育者の我慢比べです(笑)
このエサやりの量と回数を守れば、必然的に水質は悪化しにくくなるので、最大のポイントである「エサ」というワードを常に頭にいれておいてください。
後はレッドビーシュリンプは確かに繊細な生き物ですが、飼い主も併せて神経質になるといい結果は出ません。
水替えも月1回くらいを目標にしてバクテリアバランスを整えることを重要に飼育していくといいでしょう。
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